2022.05.11 <秋>に役立つ情報
季節的にはもう秋ですが、残暑がまだまだ続きそうですね。
しばらくは夏バテ、熱中症対策が必要ですが、9月の後半にかけて、少しずつ朝晩が涼しくなり、過ごしやすくなってきます。
一方で、秋になってきますと空気が乾燥してきますので、呼吸器に負担がかかりやすく、咳・痰といった症状が起きやすくなってきます。
漢方の考え方の1つに「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」というものがあるのですが、お聞きになったことはありますか?
この陰陽五行説とは、自然界に5つの元素(木・火・土・金・水)があり、この5つの元素がお互いに助け合ったり、邪魔し合ったりしてバランスを取り合っているという考えです。
そして、この元素に体内の臓器や気候・季節などを当てはめ、病気などの改善に利用してきました。
ここで注目していただきたいのが「金」です。
この金には「肺」という臓器と季節の「秋」、そして乾燥の「燥」が配当されており、肺の病気である咳・痰は、気候が乾燥しだす秋に悪化しやすいと見るのです。
また、「鼻」も同じ「金」に配当されており、秋に症状が出やすい部分です。ブタクサやヨモギなどの花粉による「秋の花粉症」の方は、注意が必要です。
そして、この対策には、「金」と親子関係にある「土」の働きを良くすることが大切と考えます。
つまり、「土」に属している臓腑である脾・胃(胃腸)に負担をかけず、胃腸の働きを整える食生活をすることがポイントなのです。
よくテレビで薬膳料理研究家の方たちが、季節に合わせて食べたほうが良い食材の「色」、例えば秋は白色の食材、ショウガやネギ、ダイコンなどを紹介しますが、これも陰陽五行説から来た考えです。
中でもショウガは、漢方では生姜(ショウキョウ)と言って鎮咳作用があり、咳・痰の症状に使用される漢方薬の「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」や「苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)」といった処方にも使用されています。また、胃腸機能を高める働きもありますので、陰陽五行説の面からもバッチリ!
この秋、食卓にショウガをはじめ、白色の食材をよく登場させてみてはいかがでしょうか?