2022.05.11 <秋>に役立つ情報
最近は肌寒い日が多くなり、木々からも落ち葉が…。だんだん秋の深まりを感じる季節になりましたね。
秋といえば「食欲の秋」。いろいろな食べ物が収穫の時期を迎え、旬の味を楽しめる季節です。
しかし、最近「何を食べても同じような味がする」「味の感じ方がおかしい」…など、味覚に異常を訴える人が増えてきているそうです。
その数は国内でなんと24万人! 10年前から比べると10万人も多くなっています。皆さんやご家族の方は大丈夫でしょうか?
味覚に異常が起こると食事が楽しめないばかりでなく、食欲が低下したり栄養が偏ったりする原因に。また、味を感じにくいために料理の味が濃くなり、その結果塩分量が多くなり過ぎる…といったことも考えられ、全身の健康にも影響が及んできます。
では味覚の異常の原因はいったい何でしょう? その最大の原因は、私たちの身体に必要なミネラルである「亜鉛」の不足です。
舌の表面には味を感じるセンサーである「味蕾(みらい)」というものがあります。味蕾は新陳代謝が活発で、常に新しい細胞に生まれ変わっているのですが、この味蕾の再生に必要なのが亜鉛なのです。そのため、亜鉛が不足していると新しい味蕾を作ることができず、味覚の低下が起こってしまいます。
食べ物の好き嫌いが多く、偏食していると亜鉛が不足しがちになりますし、インスタント食品や加工食品に多く含まれる食品添加物には、亜鉛の吸収を妨げる働きがあります。
また、辛い物など刺激の強いものばかり食べていると味蕾が傷ついてしまいます。若い人の味覚障害は、こういった「食生活の乱れ」が関係していることが多いです。
一方で、加齢に伴って味蕾も老化し、年を重ねるごとにその数は減少していきます。唾液の分泌も少なくなりますが、口内が乾燥すると味の成分が味蕾に充分入り込まないため、味を感じにくくなっていきます。味覚異常で病院を受診する方は、60代が一番多いそうです。老化による味覚の低下を補うためにも、食事から亜鉛をしっかり摂ることが大切です。
亜鉛を多く含む食べ物の代表としては、「海のミルク」とも言われ、ミネラルが豊富な牡蠣。
また、ホタテや納豆、味噌などの大豆製品、ほうれん草といった野菜にも、亜鉛がたくさん含まれています。
「最近、味がよくわからない」
「家族の中で1人だけ濃い味付けが好き」
という方は亜鉛不足かも!?
これらの食材を積極的に食べるようにしてみてはいかがでしょうか。