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健康情報

2022.08.03 <夏>に役立つ情報

漢方から見た「夏バテ」と対策、漢方処方

連日の猛暑、マスクをしているとますます暑さを感じますね。

こうなると、クーラーでガンガン冷やして、冷たいもの飲んで・・・

と、夏バテ街道まっしぐらな生活をしたくなる人もいるのでは。

そこで今日は、漢方から見た『夏バテ』についてと、その対策についてお話します。

漢方から見た「夏バテ」

日本の夏は気温だけでなく、湿度も高いことが身体の不調を引き起こしやすくする原因です。

人の身体は高温多湿の状態に置かれると、必要以上にエネルギーを使ってしまい、身体に負担をかけてしまいます。

こういった、身体の外から悪影響を及ぼすものを『外因』と言います。

「外因」とは、おもに気候の変化によるもので、風・暑・湿・燥・寒・火という6つ

夏バテはこのうち、

暑邪(しょじゃ;夏の暑さによるもの)により元気や身体の水分が失われること

湿邪(しつじゃ;高い湿度による邪気)によって脾(膵臓)の機能が弱められること

から起こると考えられています。

とくに湿邪は、胃腸などの消化器官の機能を低下させるため、身体全体に栄養が行き渡らず水分代謝も落ちて、むくみにつながります。

「内因」と「不内外因」

このような『外因』に加え、漢方では

『内因』

『不内外因』

という3つの要素が、病気の発生に関係していると考えます。

「内因」とは喜怒哀楽などの感情によるもの。

「不内外因」は、過剰労働や暴飲暴食によって起こるものです。


  
夏バテは、

・夏の暑さや冷房などの温度差・湿度による外因

・飲食の不摂生(冷たいものの飲み過ぎ等)などによる不内外因

・ストレスなどの内因

が同時に身体に入り込むことで引き起こされます。


なので、夏バテ対策としては、次の3つを意識してみて下さいね。

3つの夏バテ対策

①冷房はほどほどの温度で

室内と外との温度差が激しいと身体への負担が大きくなります。

26~28℃ぐらいの室温で、冷えすぎないようにしましょう。

②水分補給は忘れずに、ただし冷たい飲みものはNG

できるだけ常温か、温かい飲みもので水分補給をすることが大事です。

体温に近いほど水分が早く吸収されやすく、身体の負担になりにくいです。

天然塩を少し加えると、汗で少なくなったミネラル補給もできるし、体液に近い浸透圧になるため吸収も良いでしょう。

食事では、疲労回復効果のある梅干しや酢の物、ミネラル補給に海藻類(もずく酢など)がおすすめです。

③お風呂でしっかりと汗をかく

38~40℃ぐらいのぬるめのお湯に15分程度ゆっくりと浸かりましょう。

クーラーで冷えた身体の血行が良くなって汗をかきやすくなり、汗と一緒に老廃物も出すことができます。

リラックス効果もありますよ♪

夏バテの漢方は…

●五苓散(ゴレイサン)

体内の水分バランスを整える作用があり、口喝、尿量減少、下痢、悪心、嘔吐、めまい、頭痛などに用いられます。

暑いからといってビールやチューハイを飲み過ぎてしまい、二日酔いになってしまった時にも有効です。

食欲不振など胃の症状がある場合は、胃腸機能を整える平胃散という漢方を五苓散に合わせた『胃苓湯』が良いでしょう。


●補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

比較的体力が低下し消化機能が衰えた方に対して、全身倦怠感、食欲不振などの症状がみられる場合に使用します。

疲労感が強く、食欲不振で夏やせになった場合などです。

また、クーラーの効いた室内に長くいて、なんとなくだるくて疲れが取れない時にも効果があります。 


●清暑益気湯(セイショエッキトウ)

暑さによる症状を抑えて、元気を回復させる作用があります。

補中益気湯の類似処方で、汗の出過ぎや熱がこもった感じがある場合はこの処方がおすすめです。

高温多湿の中、汗をかき過ぎて消耗し、口喝・食欲不振・倦怠感などの症状が持続するような時に効果があります。

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